2011年 10月 19日
この夏の温度データ
早いもので前回ブログを更新してからもう3ヶ月も過ぎたか。。。。
温度湿度ロガーもとっくに測定期間を過ぎているのを思い出した。夏の温度はどうだったんだろう。
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とまあこんな感じだ。変わり映えしないなぁ。

冷房は2階の全館空調だけ。(一階は冷房なし)
運転時間 2階のリビングが28から28.5度くらいになったら運転開始。夜中の12時に停止。
28度になるのはもっとも暑い時期で昼の12時、通常は午後1時から4時の間くらいだ。

グラフを見れば一目瞭然。見なくてもわかるのだが、非常に快適な気温でこの夏を過ごしたことになる。不思議なのは冷房している2階よりも、していない一階の方が若干ではあるが涼しいということ。西日が当たらないことと、冷気は2階の床を伝わって1階に流れ込むからなのか。
7月20日頃の気温がガクンと下がった頃に二階の窓を開放して、できるだけ冷気を溜め込む努力をしたが、一瞬25℃以下に二階リビングが下がっただけだった。
それにしても8月の前半の暑さはすさまじく、最低気温が家の中の温度よりも高い日が何日もある。
ちなみに8月冷房専用低圧電力の消費量は

460kWh (33日間)

だった。少ないとはいえないが、家の大きさ、家中の快適さを思えば仕方ないとも言えるだろう。昨年は、
829kWh
も冷房に使ったのだが、これは27度設定で終日運転した結果だから、今回まったく不快な思いなく節電できたことは喜ばしい限りだ。家の中の温度は常に一定であるが、外が涼しい時に帰宅すると暑く感じられ、熱いときは涼しく感じられるから、快適さというのも難しいのだ。
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湿度は1階2階ともほとんど変わらず50~60%前後で推移している。これも申し分ない。
家作りでもっとも成功した点は何かと聞かれれば、間違いなく断熱だったと答えるだろう。これは住んだものにしかきっとわからない。今の大手の家もまあまあの断熱は施してあるから、旧家と比べれば熱的環境は改善され、施主も満足するのだろうが、本当の節電を考えればまだまだ甘いのだ。そこをなんとかわかってほしい。断熱は数少ない予測可能な単純な技術だ。算数をしてほしいだけなのだけど。。。

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# by toshiohm | 2011-10-19 00:21 | 住み心地
2011年 07月 29日
追加工事
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一年点検の時にお願いしていた工事。
一つは奥さんの部屋に続く高さ140cmのウォークインクローゼットのハンガーポール(これをウォークインクローゼットと呼ぶのはうしろめたいきもするのだが)。長さ方向に一本通してもらった。幅が1.5mくらいしかないが長さが5mもあるので、たくさん服がかけられるようになった。もともと幅方向に二本ポールを渡してもらっていたが、これを撤去してもらったので、壁紙がはがれてしまった。その部分の貼り直しも完璧にやっていただいた。壁紙屋さんが仕事の合間にちょっと来てくれたのだ。この辺はNさんと工事業者との良好な関係によるものなのだろう。感謝。



二つ目は天井扇。省エネの関係でつけてもらった。
一万八千円程度の物をネットで購入してとりつけだけお願いした。傾斜天井に無事取り付けられたが、強風にしても風量が小さい。空気を回すための物だからこんなものらしいが、もう少し強くてもいいのではないかなぁ。
電気工事のHさんはとてもいい人で大好きなのだ。幾分お歳なので説明書など読みづらいところもあった。その辺はNさんがうまくカバーしてやってくださったのだった。
このファンは実は自分でも取り付けることができた。引っ掛けシーリングがあれば配線は不要の「簡易取り付けタイプ」だったからだ。しかし、Hさんにやってもらいたいという気持ちもあってお願いした次第。


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もう一つは階段の一段目が踏み込んだときにミシッと音がする件。
どうするのかと思っていたら、写真の注射器を使い、マスキングした上で、踏み板と蹴上げの間の隙間と言えないような隙間に注入した。Nさんも自信なさげに帰られたが、現在完全に音はしなくなった。さすがだ。

家が完成してからの工事は高く感じるし、実際に高いが、これだけやっていただけるとそういう気も薄れるというものだ。

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# by toshiohm | 2011-07-29 23:31 | 住み心地
2011年 07月 22日
湿り空気線図
レコーディングダイエットというのがあるらしい。自分の食べた物や体重を記録しているだけで、自分ではさほど努力しているつもりもないのに、自然とダイエットになってしまうというものだ。最近の車に標準装備されている燃費計も見ているだけで自然にエコ運転になってしまうから、車自体のエコ性能をある意味かくしてしまう。
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ここに並んだ温度湿度計も眺めているだけで、なんとなくいろいろなアイディアがわいてくるし、室内・室外の温度計なので窓を開けての空気の入れ替え時なども教えてくれて、自然にみんながエコに気をつけるようになるのだ。。
ただ、空気の入れ替えは意外にむずかしい。夏場、外部気温が内部より低ければ入れ替えた方がいいように思うが、どっこいそう簡単ではない。湿度の問題がある。例えば25℃で80%の相対湿度の外部空気を室温30℃60%の室内に入れて室内の湿度は上昇するかという問題だ。上昇するようなら考えなければならない。エアコンで除湿にエネルギーを使ってしまう。
この場合の答えは、「ほぼ変わらない」だ。しかし28℃80%の外部空気を温度だけを見て入れてしまうと、湿度は上昇してしまうので、結局エンタルピー的には不利になる。今日の様に外部の湿度が低ければどんどん入れてしまえばいい。おかげで二階の寝室の温度は、23℃まで低下し昨夜はタオルケットでは寒いくらいになったのだった。今朝方の温度が写真のとおり。2.5階が24℃、外部が19.4℃。非常に気持ちのよい温度だ。ただ、一階の温度は少し下がっただけであまり変化しなかった。やはり蓄熱コンクリートが効いている。
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# by toshiohm | 2011-07-22 21:13 | 住み心地
2011年 07月 16日
一年点検
ちょうど一年と一日、この家の現場監理をやっていただいたハイレンハウスNさんが来て下さったのだ。もうすでに懐かしい。何をやってくれるのだろうかと思っていたら、写真のとおり。全てのドア、収納扉の動き、水回りのしみ出しや結露、住宅機器の引き出し扉の開閉状況、外回りの確認を一時間半ほどかけてやっていただいた。特に異常はなし。こちらが気付いた点は一つはオーニング取り付け部の下にあるケイ酸カルシウ板にひび割れが生じていること。これは片持ち構造になっているオーニングのモーメントで取り付け部が多少変形するためと思われるが、ひび割れ自体は問題なしとのことで様子見。もう一点は階段の一段目が踏み込んだときにミシッと音がすること。他の部分が堅牢なだけに少し気になる。そのほかいくつか新規にお願いしたい工事があったので、そのときに階段のミシッも見てくれることになった。
住宅エコポイントを充当してバルコニーのデッキを作ってもらおうとお願いしていたのだが、震災に寄付することにしたので、これは実現できないことになった。
新規の着工も7月に2件あるとか。このような良心的なメーカーが評価されるのは当然のことで喜ばしい限りなのだ。この会社コストパフォーマンスは抜群にいいのだが、コストだけ安い会社はいくらでもあり、そちらに流れてしまうのだろう。省エネがこれだけ言われる中、パフォーマンスを重視する世の中になるとは思うのだが。
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# by toshiohm | 2011-07-16 19:59 | 住み心地
2011年 07月 13日
冷房稼働
またまた温度データなのだ。すでに書いたかどうかは忘れてしまったが、この測定に用いている自動記録温度計(データロガー)は、家造りに大変参考になるブログを書いていらっしゃるjojojojouさんから教えていただいたものを購入して使っている。資金不足により3台しか購入しなかったので、一階と二階を同時に計測できなかったのが悔やまれるのだ。
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冷房を使用する前後の記録だが、6月30日に全館冷房を二階と2.5階のみ始動させた。最も暑い2.5階が29.5℃を超えたら運転開始することにしているが、当初は午後4時ごろだったのが現在は3時になっている。それから就寝まで運転しあとは翌日の午後まで運転停止。蓄冷は2.5階で14から17時間程度持続することになる。27度設定で運転している。
一階の温度は実に過ごしやすい値で推移しているが、なんと一階には冷房の冷気を送っていないのだ。そう言うことなら全館空調も二階だけで良かったのだ。冬場は床暖房だけで二階以上が暖かかったのと同じような、いや反対の理屈だ。冷気は階段から勝手に一階に下りてゆく。これはもちろん間取りによるだろう。階段を広くとったし曲がりがないのもよかった。一階は階段下の玄関付近が最も涼しく、リビングや個室は少し温度が上がるが、0.5℃も違わない。やってみなければわからないとはいえ、断熱がよければ、全館空調も二階空調で良いということで、それならもう少し安くできたであろう。
またデータから分かるように床下の蓄熱コンクリートは一階の室温安定化にかなり寄与しているようだ。床下の温度は地下の温度も長い目でみれば拾っているから、これから地温が外側から回り込んで上がってくれば徐々に上昇してくるものと考えられる。
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湿度のデータだが、気にしていた床下は70%強で全く一定になった。これなら結露はないだろう。一階リビングの湿度は二階空調を稼働させてからは徐々に低下しているように見える。除湿された空気は二階から一階に階段から冷気とともに徐々に運ばれている。

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# by toshiohm | 2011-07-13 14:59 | 住み心地
2011年 07月 10日
一年
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7月の15日で築一年になる。いい家を建ててくれたと、まずはビルダーのハイレンハウスに感謝しなければならないだろう。そういえば、そろそろ一年点検に来てくれるころだ。床下などは一度点検してもらった方がいいかもしれない。今までもチョコチョコ来てくれていたのだが、まとめて見てもらえると心強い。今後自分でメンテするときの窓枠塗装の色や床材の手入れの仕方なども聞いておかねばならない。
よかったなぁと思うことは多々あるが、なんといっても断熱が筆頭だ。家の温度環境が良すぎて、外出先の暑さに極めて弱くなってしまった。この一年太陽光発電もよく働いてくれた。


間取りも良かった。特に奥さんのお気に入りは二階の自分の仕事部屋兼寝室から2.5階の台所へ直接行ける室内階段をつけたこと(左の写真)。料理の途中にちょっと休んだり手芸をしたりして、自分の部屋で煮物などを気にしたりできる。段数は7段で一階から二階への階段の半分だが、精神的にはこの段数は非常に楽だ。全く苦にならないから不思議だ。これは母も同意見だから、年齢を問わず半分の段数は楽と感じるようだ。左写真の上に見えているのが台所。

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階段を上がりきると調理スペースから窓を通して富士や夕焼けが見える。

一階の母の部屋にトイレを設けたのも大満足。高齢になると夜中に起きたときにふらついたりするらしいので近くにあるのはとても心強いものらしい。


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# by toshiohm | 2011-07-10 21:59 | 住み心地
2011年 07月 03日
集団心理?
せっかく涼しい家を建てたのに、省エネ協力で空調の設定温度を28℃にすればやはり暑い。扇風機を購入した。銅メッキという見慣れない型だが中国製。扇風機はどの電気店でも売り切れで、数件まわってダイエーでようやく手に入れた。皆さん省エネに協力しているということで結構なことだが、何かあると皆同じ方向に走る国民性は善くも悪くも昔から変わらない。自分も知らず知らずその一員であることを感じずにはおられなかったのだ。
この一機種しかなかったのだが、部屋にはマッチしていて家族には好評だった。
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# by toshiohm | 2011-07-03 16:25 | 住み心地
2011年 07月 01日
網戸
網戸を自分で取り付けてみた(写真は途中まで網戸をおろしたところ)。

c0215738_10464811.jpgこの家は旧家と比べて格段に風のとおりがいい。少し前までは窓を開ければ非常に涼しかった。
原因は二つ。一つは窓を部屋の反対側に対抗して二つつける、要するに風が抜けるように設計したこと。またドアのない間取りなので、部屋間の風のとおりもいい。もう一つは2.5階を作って周囲の家より頭一つ高くなったこと。おかげで2.5階は少し風の強い日にはベランダの鉢が倒れるし、サンダルは飛ばされるし、だ。しかし2.5階に入る風は二階の窓を開ければそこから抜けてゆく。初夏は最高だ。ただ家の中に蚊が入ってくる。
新築の時には網戸は高いしその効果もはっきりしなかったので最小限しか取り付けなかった。住んでみればその必要性もどこに取り付ければいいかもはっきりわかる。そこで二ヵ所網戸を取り付けることにした。
ビルダーに最初はお願いしたのだが、二週間経っても何も言ってこなかったので(きっと忙しいのだろう)、すぐに欲しいということもあり、自分で注文して取り付けることにした。
外開き窓なので窓を開けてからロールダウンするタイプに限られる。このタイプの利点は使わないときには巻き上げてしまうので視界をまったく妨げないことだ。セイキグループの網戸を楽天ショップにあったマツケンに注文した。このときに正確な寸法を言う必要がある(今回は約90x120cm)。窓が内付けなので、正面取付けを選定する。価格は15%引きで一つ22,000円ほどだ。その他送料が1500円かかる。取り付けは意外なほど簡単でドライバーを用意すれば10分で終了する。結局ビルダーにお願いするよりも時間もお金も得だったのだ。それでも家を建ててしまってからだと、非常に高く感じるが、これが正常な金銭感覚というものだろう。少し足せば32インチの液晶テレビが買えてしまう。家を建てるという行為はいかに金銭感覚を麻痺させることか。
これで安心して窓が開けられる、と思ったらまだ蚊が入ってくる。どうやら蚊が入ってくるのは2.5階からではないようだ。もともとこの階は高いのでほとんど蚊は入ってこないのだった。虫は玄関から入ってくるのねー、だったようだ。しかし二階の方は庭に面しており、明らかに効果があったと信じている。二つで45,874円もしたのだから。

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# by toshiohm | 2011-07-01 10:54 | 住み心地
2011年 06月 11日
そしてまた日常
あの大災害以来何も書く気を失ってしまった。何を書いてもどーでもいいことのように思えてしがたがない。
だが、3ヶ月過ぎ、ようやくにして日常感が自分に戻ってきた。家の温度の測定も放りっぱなしになっていたのを思い出した。このデータ整理も結構面倒なのだが、それくらいのことはやれる気がでたということか。
というわけでデータ測定は3月6日から5月2日までしかないが、寒い時期から暖かくなり始める時期の記録なので、何かの役に立つだろう。
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床暖房の運転は4月3日をもって終了した。外気温、床下温度、一階リビング室温の経緯をみると、真冬に比べてリビングの室温の変動が大きいことが分かる。これは床暖房の出力を外気温に合わせて適当にいじったためと思われる。すなわち暖かくなったなと思ったときに床暖出力を下げ、下げたときには外気温は下がり始めてしまっているということだ。これでは自分で制御しているつもりが、逆のフィードバックになってしまっている。きっと何もしなければもっと一定だったに違いない。3月は床暖は6時間運転を基本にした。例えば少し暖かくなっていると感じたので3月の13日からは3時間運転にしている。が、ちょうどそのときから外気温が下がり始め室温の低下を拡大してしまった。23日あたりでも同じことをしている。外気温の平均が10度くらいなら、4~5時間程度の一定運転が良いのかもしれない。来年は参考にしよう。しかし、この程度の変動ならば、温度測定では明らかでも体感的には殆ど分からなかったことも事実だ。床暖を運転しなくなってからは、外気温の変動に影響されない室温が続いており、現在も非常に快適な温度だ。
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気になる床下の湿度はグラフから分かるようにまずは一階リビングの湿度と同等にまで低下したが、床暖の運転を止めてからは徐々に上昇し、60%に至っている。現在はもっと高いだろう。モアのオヤジさんが言っていたような「冬場はカラカラに乾く」状態には至らなかった。これから夏に向かって床下の換気を行う必要がある(冬場から現在まで全く換気していない)。

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# by toshiohm | 2011-06-11 13:22 | 住み心地
2011年 03月 31日
最悪は脱したか
わからないながらも、この一連の大事故の先が少し見通せるようになってきた。現在の炉心冷却が継続できるのなら、放射能の大気放出はゆっくりと減少して行くであろうという予測だ。各地の放射線レベルが低下していることからもこれは伺われる。こと地上の汚染に関しては最悪は脱したかもしれない。

問題は炉心冷却の方法だ。これは注水によって担保されている。だが入れた水はどうなっているのか。炉心に水をかければ蒸気になる。蒸気はまた水に戻すか、蒸気として放出するかだが、蒸気放出は好ましくないし、現在までに数回しか行われていないようだから、恐らくサプレッションチャンバ(圧力抑制室)に導入されて水に戻しているのだと想像される。ここで不思議なのはサプレッションチャンバに蓄えられている水が沸騰しないのかということだ。ここは海水などで積極的には冷却していないはずだ。沸騰してしまってもおかしくはない。時折格納容器の圧力が上がりすぎたのはこのためかもしれない。だが、あまり問題視されていないところを見ると、どういうわけか冷却されてここで水に戻っているということなのだろう。そのおかげでサプレッションチャンバの水は満杯になってしまった。なってしまった、というか、なるに決まっている。一日あたりの注水量は200m3。サプレッションチャンバの水はもともと3000m3入っている。もう3000m3の気積がある。事故発生後15日でサプレッションチャンバは満杯になっているはずだ。現に満杯であることが先日確認された。わかりきったことが起こっただけなのに、なぜみんな新たな発見のように言ったのかは謎だ。タービン建家の水たまりは、これが漏れ出てきているに違いない。

放射性物質はもともと大量に燃料棒の中にある。だが、まずペレット、次ぎに被覆管、圧力容器、格納容器、原子炉建家、と鉄壁と見られた5重の防護は電源喪失という一事でやすやすと破られてしまった。それでもまだ放射性物質の大半90%以上は燃料棒(もう棒とは言えないかもしれないが)の中にある。しかし今はそれを注入された水で徐々に外へ向かって運び出し拡散していることになる。本来なら満杯になることがわかりきった外部からの水の注入ではなく、内部で循環する水で冷却すべきだし現在もそこに向かって努力をしているのだが、全機が正常に冷却系を復活できる可能性は少ないのではないか。そうなると、冷却水の処理は新聞でも言われているように大変な問題だ。水は漏れる。海へ、地下水へと。最終防衛ラインは現在この水際になってしまった。特にサプレッションチャンバが破損しているとされる2号機は高濃度の冷却水が出てきているだけに深刻な問題だ。このラインの防衛は難しい。溢れないように注意して信頼性の高い貯蔵タンクに移すしかないのかもしれない。海洋の汚染はこれからも続く可能性も高い。注水を不要にするために、くみ上げた汚染水をもう一度供給して冷却することはなぜできないのだろうか。その水の汚染のレベルは上がっていくだろうが、少なくともきれいな水を新たに汚染させて全体量を増やすことはない。是非考えてもらいたい。(誰かがとっくに考えているだろうけど)。汚染レベルが上がるのがいやなら方法はある。問題になっているのがヨウ素だから、硝酸銀と反応させればヨウ化銀として沈殿する。フィルターで除去できるではないか。セシウムだって吸着除去可能なはずだ。
海洋汚染も深刻だ。野菜はそこにじっとしているが、魚は動き回る。食物連鎖もある。日本産の食物輸出は全滅となる可能性もある。

後は、「爆発的事象」が絶対に起こらないことを祈る。それさえなければ、日常生活という意味では徐々に収束に向かいそうな雰囲気が見えてきた。

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# by toshiohm | 2011-03-31 22:03 | 住み心地
2011年 03月 28日
ひどい話
ひどい話だ。ヨウ素134が昨日の発表通り29億ベクレルの高い値でタービン建家に水たまりを作っているなら、核分裂の継続を考えざるを得ず、本当に事態は最悪のシナリオだと昨日ここに書いた。しかも中性子が観測されていないなど現象が矛盾しているとも書いた。その夜に東京電力はこのデータを訂正した。

違う心配が出てきた。我々が矛盾していると気がつく程度のことをしかも重大な事象を解釈もなしに垂れ流したという事実だ。よほど現場は混乱しているのだと思う。無理もない。もうすでに事故から16日経過し彼らは寝ることも犠牲にして対応にあたっているのだから。しかし、冷静に判断できる人を明らかに欠いているということも明らかになったわけだ。これは極めて心配な事態だ。ここは政府も専門家を現場に送り込むなどして態勢を建て直す必要があろう。今現在、現場の指揮系統、体制はどうなっているのだろう。

それにしても原子力安全保安院は頭に来る。彼らは一体何をやっているのだろう。現象の理解もせずにただ発表し、データに訂正があると、「東京電力にはこういうことのないように厳重に注意した」という。何様のつもりだろうか。公表した間違いデータの物理的意味を理解していなかったとという意味では彼らも同罪だろう。本来彼らがデータを解釈して現象を理解し、正しく国民に伝わるようにする立場ではないのか。昨日のデータも矛盾する点があると注釈付きで発表するならするべきだった。現場は大変なのだ。原子力保安院が正しく報道しなければ誰がやるのだろうか。データの解釈もできない連中だというのなら、早くやめさせた方がいい。こんな経産省のお抱え機関はやめて第三者機関を早急に立ち上げるべきではないか。

現場で作業されている方々。東京電力はどんなに悪者にされても当然かもしれないが、現場で対応に当たっている中間管理職や作業者には心から敬意を表したい。過酷な労働条件労働環境の中、不安と戦いながら,現象もろくに理解できない頼りない本部の司令に従い、日々変化する状況に対応すべく、必死に作業を行っておられるのだろうと思う。こうなってしまった現在、あなた方のがんばりだけが今かろうじて日本を救っている。

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# by toshiohm | 2011-03-28 08:31 | 住み心地
2011年 03月 27日
どこに収束させるのか
昨日、誰も現場に近づけない状況になるのが最悪のシナリオだと書いた。今日の報道はその最悪に近づいているのではないかと思わせるほど深刻だ。2号機のことだ。通常の1000万倍の放射能レベルというだけで驚いてはいけない。注目すべきはヨウ素134が異常に高いことだ。ヨウ素134は半減期が50分程度。ちゃんと核反応が3月11日に収束しているならば、とっくになくなっているはずだ。ではなぜ今頃出てきたのか。それは燃料内で未だに核分裂反応で作られているからではないのか?昨日書いた真水にホウ素を加えて注入した事実も合点がいく。未臨界のウラン核反応は継続しているのだろうか。だとすれば中性子が観測されていないのが不思議だ。誰かヨウ素134の由来を説明して欲しい。

現在の燃料の発熱量はどれくらいと見積もられているのか?きっと見積もりようがないのかもしれない。一刻も早い外部電源による冷却再開が望まれるのだが、今回の超高放射性漏洩水によって逆に手がつけられない状態になっている。これを最も恐れてきた。なんとか漏洩水を取り除く手だてが一刻の猶予もなく行われることを祈るばかりだ。

今日のNHKで東大の関村先生が、漏洩水のレベルは格納容器内のレベルと同じになっていると述べられたが、もしそうなら事態はかなり深刻だ。

外部電源→冷却系の復活→冷温停止の努力は何が何でも続けるべきだが、平行してそろそろ、現在の努力が続けられなくなったときに最終手段としてどこに収束させるべきかを議論する時なのかもしれない。すなわち、原発区域内を隔離範囲として封じ込め、そこから放射性物質を一切外に出さない手だてだ。原子炉→格納容器→原子炉建物→敷地内必要なら半径数キロメートル以内と多重の区域を設定しそれぞれどのような手順でどのような隔離を行うのか早急に検討しておく必要があろう。こうなればあれ程ばかにしていたチェルノブイリの事故が参考になるだろう。また各号機で異なる対応が必要となる可能性も高い。

これはもちろん本当に最終的な手段だが、少なくとも最悪でもここまでという図を示すことは安心感を与えることにならないだろうか。それともある種のパニックになってしまうのだろうか。もう検討を始めているが公表していないのだろう。そうでなければおかしい。

チェルノブイリとの違いは核分裂生成物は原子炉内にまだあるということだ。この違いは非常に大きい。これをどううまく使っていくのかが大事だ。

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# by toshiohm | 2011-03-27 21:06 | 住み心地
2011年 03月 26日
いらいら
本当にいらいらするのは、未だにどこからどれくらいの放射能が放出されているかわからないことだ。そうこうしているうちにタービン建家に高放射線量の水が溜まり、どうも原子炉からの水らしい。この水は本来ならそれほど高い汚染レベルにはならないはずなのだが、作業員がβ線火傷を負うほどのレベルになっているのは、炉心溶融か著しく損傷している証拠に違いない。これはかなり悪い方のシナリオだ。現在の溶融レベルもわからなければ、これからそれが進展するのかもわからない。これが進展して放射線レベルがあがり、誰も近づけなくなるのがほぼ最悪のシナリオだ。外部電源による冷却機能の回復も絶望的になる。そうなったときにどのような始末を考えているのだろうか。その辺は全く解説されていないようだが。
原子炉を冷却できなければ確実に溶融・損傷は進展するであろう。そんな中、個人的には一番心配していた海水による冷却を真水に変えてくれたことはよかった。蒸発潜熱によって冷却を担保していたとするなら、内部にたまった塩の量は大変なものになっているはずだ。冷却性能は著しく低下していた可能性がある。米軍が協力してくれなければどうなっていたのだろうか?
気になるのはホウ酸を一緒に注入したことだ。これはまだ核反応を警戒している証拠だろう。制御棒の健全性は保たれているのだろうか?
特に心配なのは3号機だ。これはプルサーマルだから溶融はことさら問題なのだが、そのことについてもあまり触れられていないのはなぜだろう。
救いはここ二日三日の各地の測定結果を見ると、落ち着きを見せていることである。北西の強い風が吹いたことも一因かもしれないが、第一原発付近の線量も低下傾向であり放出量も落ち着いているような感触はある。下図を見ると様々なピークが観測されているが、それぞれとイベントとの関係が必ずしもキチンとつけられているわけではなく、これといったイベントなくピークが出ている物もある。いかに現象が把握されていないかがわかる。
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しかしそれにしても考えられるシナリオとその対策の全体像を示してもらわないと不安でしようがない。

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# by toshiohm | 2011-03-26 23:13 | 住み心地
2011年 03月 23日
人智
「人智の及ばぬ」「想定外」といっても何をもって人智というのか、何を想定していたか
が問題だろう。

人類の進歩と言われるものは、まず進歩して次に反省するというプロセスの繰り返しだ。
新しい技術も、その時点での人智がなかなか及ばぬが故に新しい。想定すると言っても
新たなものに対して想定できることは自ずと限られる。そして「人災」が起きる。

鉛公害、水俣病は言うに及ばず、水害でさえも堤防という技術で河川や海に打ち勝ったと
想定して本来居住不可能かもしれない場所に家を建てる。水害が起こるたびに反省する。
堤防は高くなってゆく。高くする基準はそれまでの水害の経験、即ち「人智」だ。そして
百年に一度、千年に一度の水害で再び水没する。

自然は人間のことなんか、お構いなしだ。悲惨、酷いといったって、それは人間から見て
のことであって、自然はその赴くままに赴く。自然を畏れつつも人はそこに住み続ける。

自動車は日本で毎年数千人の人を殺している。自動車がなければこの数千人が命を失わず
にすむのだ。しかし人は自動車をなくす方向には動かない。死者を減らすための方策を考
えて自動車に乗り続ける。その間にも毎年命は失われて行く。口先で命の尊さを唱えながら
実は利便性を優先させてきたのだ。これが我々の選択してきた道だ。

そう考えると原発も同じことのように見える。事故が起こった。想定外の事態が起こった
からだ。では想定を変えて1000年に一度の津波に耐えるようにしましょうというのが今
までの道であり一見それでいいように思える。果たしてそうだろうか。そこには違和感が
ある。核反応を人間が制御するということ自体に何とも言えぬ不気味さを感じてしまう
のだ。これは遺伝子操作に対して感じる違和感と同種のものだ。

宇宙は確かに核反応で成立したにしても、生命は核反応の終焉した穏やかな化学反応の海
で生まれ、心地よく進化のプロセスを歩んできたのだ。核反応の持つ桁違いのエネルギー
を「人智」でどこまで手のうちの穏やかな海におけるのか。それこそ「人智」の及ばない
ところだ。

地球温暖化で世界的に原発建設のラッシュが今まさに起ころうとしている。事故の可能性
は数に比例して増加する。世界の電力を原発でまかなうことはいい知れぬ恐怖だ。
原発はもともと「繋ぎ」の技術でなければならない。石油が枯渇する。人類のエネルギー
需要はとどまるところを知らない。石油から新たなエネルギー源が登場するまで原発が
リリーフしその間なんとか事故なく過ごして欲しいという位置づけだ。本来我々は原子力
が繋いでいる間、必死で次のエネルギー源を考えなければならなかったはずだ。しかし、
いつしかイージーな道に堕してしまった。

底にあるのは経済原理だ。そして一方で高度なエネルギー消費に支えられた国民の生活
の「満足」がある。安全だからといって高いエネルギーコストは国家の危機でもある。企業
はそして労働は海外へと出てゆく。失業が増える。経済が弱れば新聞テレビはここぞとば
かり政治家の無能を書き立てる。要するに国民が同時には成立しない二つの物の両方を
欲しがっているのだ。

今回の大災害は我々への警鐘かもしれない。どちらも欲しがる幼児的な要求を漸くにして
捨てる時期なのだと。経済を選択しながらよりよい方向を模索する今までのやり方は、少
なくとも原発に関しては破綻している。

では原子力の先のエネルギーは何か。考えてみればこれが問題なのだ。自然エネルギーで
は足りぬ。高い。石油はいずれなくなる。核融合は放射性物質は劇的に減るにしても、核
反応にはかわりない。資源はいずれ枯渇する。結局は地上に降り注ぐ恵みの太陽エネルギ
ーを超えて我々はエネルギーを使うことができない。再生可能なエネルギーこそが神から
真に我々に与えられた使って良いエネルギーなのだ。それを我々は平等に分かち合い、
その範囲で生きていくのがまっとうな生き方というものだ。今は経済という名の下に分を
超えてしまっている。

今こそ国民のコンセンサスとして、尺度を「経済」から「環境・安全」へと転換し、今は
高くても安全なエネルギー技術の開発に国家的使命として推進するべきなのだろう。これ
は我々の次の世代に日本発の技術を残してやることでもある。これほどの災害を経験した
国は少ない。今こそ国を挙げて、世界の潮流がどうであろうと、石油後のエネルギー技術
を開発する時なのかもしれないのだ。

しかしいずれにしても我々が見栄えのためや、安いからといって垂れ流し的に使ってきた
エネルギー消費をもっと意識を持って劇的に落とすことはさけられない。寒さ暑さに耐え
る。馬鹿げた番組をテレビで見続けるのはやめて本を読む。公共交通機関を充実させる。
電気自動車を普及させる。排泄物からのメタンを使う。建物という建物はすべて北欧なみ
に厳重に断熱する。全ての乗り物もだ。できることは何でもやる。

全世界の人口一人一人が日本人なみのエネルギーを消費する権利があるとしたら、それ
が実現された結果は考えたくもない。エネルギー先進国が自ら劇的削減する努力なしに、
世界の格差は絶対になくならない。貧しい国は貧しいままいてもらうことを前提として
の先進国の繁栄だからだ。

国際環境会議を見れば各国の思惑が入り交じり、効果はいつも疑問だ。しかし、日本は、
日本だけは、「みんなでやらなければ意味がない」という議論から離れて、劇的なエネル
ギー削減をやってみせるのだ。やってみせると一人一人が決意するのだ。国際的競争力は
落ちる。経済は低迷するかもしれない。だかこの未曾有の危機において、それを甘受して
ゆく覚悟を我々はいまなら持てるかもしれない。どのみち、これから経済は縮小して行く。
それなら毅然として大義を持って堂々と誇り高く縮小していきたい。それこそが我々が
次世代に残せる数少ないものかもしれない。



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# by toshiohm | 2011-03-23 11:50 | 住み心地
2011年 03月 22日
問題の切り分け
問題は今なお放射性物質が原発から放出され続けているのか、いるとすればどれくらいなのかだ。今日の読売新聞に興味深い測定結果が出ている。
c0215738_1155025.jpg

この図は17日から21日までの4日間の3号機から北西に500m離れた地点での放射線量率の推移を放水との関係で記してある。興味深いのは4日にわたり全体には減少していることだ。ほぼ1.7分の1になっており、放射性ヨウ素の減衰曲線(1.47分の1)に近い。所々急激に増加しているが、これは放水によってある程度「火消し」に成功しているように見える。
ここから浮かび上がるのは

1.まずいずれかの爆発的事象で放射性ヨウ素が比較的大量に一度に放出
  され、あたりに付着した。そのときに北西方面の飯舘や福島市が汚染
  された可能性もある。(これらの放射線量率もヨウ素の減衰曲線よりも
  若干速い速度で漸次減少している)。
2.その後は放射性ヨウ素の放出量は激減し、最初に付着した放射性ヨウ素
  だけが、自然崩壊して減衰していく。
3.使用済み燃料(特に3号機)からは、おそらくは温度上昇にともなって
  時々放射性ヨウ素が放出されるが放水によって急激に減少する。

すなわちあらっぽく言えば、放射性物質の放出の最大値は過去にあって、それが現在も放射線を出し続けているが、放射性物質の放出はその後有意に減少しているということだ。その意味で最大の危機は脱しているかもしれない。しかし降雨時に急激に風下各地の線量率が上昇するところを見るとまだ完全に放出が終わったわけではないことは確かだ。
しかし主たる放出源は落ち着いているにしても、問題は時々上昇する数値であり、これは使用済み燃料が水没できないことによる可能性が高くこれを制御下に置くための手法があるのかが今後注目される。昨日も書いたように放水だけならかなりの長期戦を覚悟せねばなるまい。ルーチンワークになるにつれ放水作業員は次第に英雄視されなくなり、いたずらに被曝していくことになる。この辺の手立ても大切だろう。
ただ、原子炉本体の方もいまだ予断を許さない。こちらは外部電源による冷却が再開できるかが鍵だ。
まだまだいろいろあるが、少なくとも問題の切り分けができてきたような気はするのだが。

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# by toshiohm | 2011-03-22 11:06 | 住み心地