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2010年 06月 30日
ビルダー倒産事件
引き渡しを2週間強後に控えてOH邸は9割がた完成しているように見える。しかしまだ支払いは4割方だ。これは最初の支払い条件を木工亊完了時に3割、引き渡し後に3割というように圧倒的施主有利な条件でやっていただけたからだ。
富士ハウスや大勝建設などビルダーが建築半ばで倒産した時の施主のおかれた状況は悲劇という域を越えている。自分の家の建築期間中に少しでもその恐れがあれば、とても枕高くして寝られないだろう。しかしこの支払い条件とK建設が保証人になってくれたお陰でOH邸の施主は毎日熟睡していたのだった。
本当は完成保証もつけてもらうはずだった。しかし、だ。この会社を知るにつけ、この会社は潰れないだろうという、いささか薄弱ではあるが確信めいたものがうまれてくると、完成保証にかかる10万円がムダなお金に見えてきた。そしてさんざん営業のAさんに手続きをしてもらったあげくに、最後の最後完成保証はやめることにした。ムダな事に支払うお金は百円だってないのだ。そしてこれは結果論的に正解だった事になる。
倒産した大勝建設とは青山と柿の木坂のショールームで2回も話をし、見積もりまで出してもらった。そこの営業はやり手風の男でどこか胡散臭く、どちらかと言えば純朴風なハイレンのAさんとえらく違っていた。いつだったか「お宅(大勝)は倒産しないんだろうね」とその男に聞いてみた。
「ウチは適正利潤をいただいていますので大丈夫ですよ〜、ハハハー」
だった。いつの世でも最後に「ハハハー」で終わる男は信用できないと相場が決まっている。相場通りだった。
大勝の社長に会った事はないが、彼の書いたパンフレット等から察するに、大言壮語してそれをリーダーシップであると固く信じて疑わないタイプの人間と見受けられた。その通りだった。彼の書いた「マニフェスト住宅」には賛同するところも多かったのだが、今思えばこれは建築業界の胡散臭さを利用した、胡散臭い男の、胡散臭い戦略だったのかもしれない。
一生に家が何軒も建てられる人を別にすれば、ビルダー選びは絶対に失敗できないし、しかもこれは自己責任だ。だからこそ倒産の可能性が小さいと思われる大手を選んでしまう人の気持ちもよーっくわかる。ただ、それによって本当にいいビルダーが消えていってしまうことは、結局は施主側の選択肢をせばめ、高くて画一的な家に満足せざるを得なくなってしまうことにもなるのだ。
自分の気に入ったビルダーが見つかれば後は自分がどう転んでも安心という条件をそのビルダーに呑んでもらえるかどうか、ではないだろうか。かといって完成時に一括支払いは、ビルダー側に荷が重すぎるだろう。ビルダーが他から購入する材料費位は最低でも施主が支払っていくような気持ちが必要ではないか(世の中には金利というものがあるのだから、必ず余分な出費になり、それは施主側が最終的に見えない形で支払う事にだってなるかもしれない)。これも話し合いの問題だが......

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by toshiohm | 2010-06-30 17:30


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