2011年 03月 22日
問題は今なお放射性物質が原発から放出され続けているのか、いるとすればどれくらいなのかだ。今日の読売新聞に興味深い測定結果が出ている。 この図は17日から21日までの4日間の3号機から北西に500m離れた地点での放射線量率の推移を放水との関係で記してある。興味深いのは4日にわたり全体には減少していることだ。ほぼ1.7分の1になっており、放射性ヨウ素の減衰曲線(1.47分の1)に近い。所々急激に増加しているが、これは放水によってある程度「火消し」に成功しているように見える。 ここから浮かび上がるのは 1.まずいずれかの爆発的事象で放射性ヨウ素が比較的大量に一度に放出 され、あたりに付着した。そのときに北西方面の飯舘や福島市が汚染 された可能性もある。(これらの放射線量率もヨウ素の減衰曲線よりも 若干速い速度で漸次減少している)。 2.その後は放射性ヨウ素の放出量は激減し、最初に付着した放射性ヨウ素 だけが、自然崩壊して減衰していく。 3.使用済み燃料(特に3号機)からは、おそらくは温度上昇にともなって 時々放射性ヨウ素が放出されるが放水によって急激に減少する。 すなわちあらっぽく言えば、放射性物質の放出の最大値は過去にあって、それが現在も放射線を出し続けているが、放射性物質の放出はその後有意に減少しているということだ。その意味で最大の危機は脱しているかもしれない。しかし降雨時に急激に風下各地の線量率が上昇するところを見るとまだ完全に放出が終わったわけではないことは確かだ。 しかし主たる放出源は落ち着いているにしても、問題は時々上昇する数値であり、これは使用済み燃料が水没できないことによる可能性が高くこれを制御下に置くための手法があるのかが今後注目される。昨日も書いたように放水だけならかなりの長期戦を覚悟せねばなるまい。ルーチンワークになるにつれ放水作業員は次第に英雄視されなくなり、いたずらに被曝していくことになる。この辺の手立ても大切だろう。 ただ、原子炉本体の方もいまだ予断を許さない。こちらは外部電源による冷却が再開できるかが鍵だ。 まだまだいろいろあるが、少なくとも問題の切り分けができてきたような気はするのだが。 英語のブログも書いてます Small Talk in English 英語で話そう
by toshiohm
| 2011-03-22 11:06
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