カテゴリ:断熱( 12 )

2010年 09月 29日
完了
先日から懸案になっていたダクトスペースの断熱工事だ。当初予定した発泡ビーズの充填はうまく中まで入り込まない可能性があり、またセルロース繊維の吹き込みはバカ高いので、結局職人さんたちが狭小スペースに入り込んでスタイロフォーム板を貼付けていく方法が確実でいいだろうということになった。これはこれで大変な作業だ。ダクトスペースは全部で7カ所。内一箇所は断念。しかし6カ所でも昨日4人今日3人の結構大きな工事になった。

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外に張り出した狭いスペースに小さく壁に開けた窓から40cmほどの奥行きのスペースの中に作業する方が入る。中は太いダクトが入っているので板を切って小さくして入れていかなければならないから大変だ。施主も入ってみたが、脚がつりそうになった。

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スペース内部。たしかに何も断熱されていない。


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50mm厚さのスタイロフォーム板を切って壁にはめ込んで行く。継ぎ目の部分はハンディフォームなる発泡ウレタンで、隙間をうめる。

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内部に貼り終わったらまた入り口に50mmスタイロフォーム板を2枚重ねて貼って蓋をする。現場監理のNさんが持っているのが発泡ウレタンスプレーとガンだ。ここもキチンと封止する。
これらの一連の作業を行った箇所が都合6カ所会ったのだから4人で二日がかりもうなずける


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石膏ボードを貼って壁紙で修復だ。終わった後は、どこが開口部だったかちょっと目にはわからない。壁紙屋さんもさすがにプロだ。継ぎ目のわからない貼り方を教えてもらった。いざとなったら自分でもできるようにするためだ。白い二つの箱は太陽電池のDC-DCコンバータと思われる


これで断熱にやましいところは一つもなくなって冬を迎える事ができるというものだ。
「ここまでやらなくても」とあるいは思われたかもしれない。しかし、施主の偏執狂的こだわりにいやな顔一つせずつきあってくれたのだ。今回の断熱漏れの話は、現場にいながらちゃんと指摘しなかった当方にもやましいところはある。しかし、そのことは一言も言わず、あるいは「そこまでやらなくても」とか「本当に必要ですか」などとも一言も言わず、計画から施工まで大変な工事を責任をもってやって頂いたハイレンハウスさんにはただただ感謝するのみだ。
開閉がこのところの雨で少しおかしくなっていた二つのテラスドアと窓一つも調整していただいた。おまけに庭いじりでこちらが掘り出したガラや石ころまで持って帰ってくれたのだ。
これをもってわが家の工事も本当に完了したわけだが、これでNさんも来なくなるかと思うと、寂しい気がしたりするのだった。ホントお世話になりました。
と思ったら、来週24時間換気装置のブロワーに防振ダンパーを取り付けてくれるそうだ。夜間切っているので忘れていた。ちゃんと覚えていてくれた。あとバルコニーのデッキを見積ってもらおう。バルコニーの手すりが高過ぎるので床の方を持ち上げるのだ。住宅エコポイントで工事してもらえるといいのだが。。。


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by toshiohm | 2010-09-29 22:17 | 断熱
2009年 12月 27日
内付け窓
ハイレンハウスが輸入している窓(カイエンウィンドウ)は断熱性能が高く、防火対応範囲が広くていいのですが、一つ欠点があります。取り付けが窓枠の室内側になることです。これは防水の観点から必要らしいのですが、なぜ欠点かというと、
1) 窓枠の内側にちょっとした物が置けないので、なにかと不便
2) 部屋が狭く見える
3) 断熱ロールスクリーンやハニカムスクリーンを室内側に取り付ける場合に窓とスクリーンの間の空間を窓枠の内側で仕切れないので、断熱上不利。(例えば冬期、窓とスクリーンの間で冷却された空気はスクリーンの下からいくらでも流れ出る事ができる)特に内側の網戸をつける場合、網戸の収納ボックスが室内側に出っ張ってしまい、ロールスクリーンがさらに窓から離れ、用をなさなくなる。
これに対してはなかなかいいアイディアが浮かばないのですが、厚手のひだの多いカーテンを窓にできるだけ密着するように取り付けるしかありません。いくつかの窓は出窓にして、この問題を解決していますが、出窓にしていない大きい窓に対して何かもっといい知恵がないものでしょうか。
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by toshiohm | 2009-12-27 15:56 | 断熱
2009年 11月 25日
日射取得
日射取得の計算は専用のシミュレータを使わない限りそれ程簡単ではありません。しかし、時間毎、窓毎、季節毎の計算をすることはできます。

我が家で最も厳しいのは二階のリビングで、西南西向きの窓が4平米あります。ここからの日射取得は真夏の午後3時半頃最大となり、その値はLow-eガラスの透過率を60%として、2.2Kw。これはそのまま放置する訳にはいきません。窓には日射取得を制限するなんらかの施策が必要です。c0215738_1032234.jpg

真っ先に考えられるのはカーテンやブラインドですが、これは一度日射を室内に取り込んでしまいますので効果は少なく、特に複層ガラスのように断熱が良いと、かえって日射で引き起こされる窓際の温度上昇を外に放熱できないので、室内側に放熱する量が大きいのです。透過率60%のlow-e複層ガラスの場合、室内の内側にブラインドのを取り付けても45%の日射が侵入すると言われています。しかし外側に透過率40%のスクリーンを取りつけた場合には24%まで低下します。我が家のリビングですと、ブラインドで1800Wに対して外付けスクリーンでは960Wになります。これでも大きいので、もう少し窓の大きさを小さくしたいものです。

今考えている外付けロールスクリーンはサングッドというもので、スクリーンを通して景色がわずかに見える(室内も明るい)ようなタイプなので日射の透過率が40%もあり、不満が残ります。しかし安価です。トステムのフレシェードという製品(写真)も透過率はほぼ同様ですが、少し高い。ただし、インタネット価格だとかなり安いので支給すればいいのかなぁ。その場合の取り付け費はどうなるかです。結局またここか。
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by toshiohm | 2009-11-25 10:34 | 断熱
2009年 11月 15日
換気システムの熱ロス
24時間換気は法令で義務づけられていますし、高気密住宅では確かに必要なシステムです。しかし、このシステムは冬には冷たい空気を室内に導入し、温めて排気します。また夏にはその逆を行う事になり、せっかく冷やした空気を排気してしまうことになります。

換気量は法令で決められていて一時間あたり0.5回家の空気を入れ替える量が必要です。我が家の場合ハイスタッドと勾配天井で容積が630m3あり、換気量も大きくなるためこれによる冷暖房のむだもおおきいのです。計算してみますと最大で
 夏場: 300W程度
 冬場: 750W程度
と冬場の方が大きいのです。熱交換換気を導入予定なので熱交換効率60%として
 冬場の300W
が最大ロスということになります。しかしこれがQ値に与える影響は0.1以下であってそれ程問題にはなりません(Q値1を目指すなら0.1でも大きいのですが)
しかし、です。この結果はいわゆる顕熱だけを計算しており、除湿や加湿の潜熱ロス分を考慮する必要があります。例えば夏場、湿った空気が換気により家の中に入ってきます。それをエアコンで除湿します。せっかく乾燥させた空気をまた排気してしまいます。この除湿は大きなエネルギーを必要とします。これも計算してみます
 夏場: 2200W程度
 冬場: 1700W程度
これによるロスは顕熱ロスどころではありません。よく住宅展示場などで、除湿運転だけで済むので経済的です、なんて話をされますが、全く嘘っぱちです。除湿運転こそ大きなエネルギーが必要なのです。
こう考えると、熱交換器は湿度も交換してくれる全熱交換器でないと殆ど意味がないような気もします。事実ビルなどでは全熱交換換気をやる例が多いらしいのもこの理屈です。全熱交換器はいくつか方式がありますが、拡散によって交換させるものが効率が高いようです。しかし、欠点もあります。よく大手が説明するのは、空気の汚れや臭気も交換してしまうのでまた家に還流する、ということですが、その心配はそれ程事実上の問題はありません。心配なのは実は結露です。湿度の高い温かい空気と湿度の低い冷たい空気が全熱交換器内で接触しますので、結露することが考えられます。顕熱だけを交換する場合には両者の流路は隔離されていますので、結露はどこかに集めてドレーンから排水すればすみます。しかし、全熱交換器の場合には排気と吸気が細孔を通してつながっていますので、結露すればそれを塞いでしまったり水が滞留しやすく、カビの発生などがおこれば健康上の問題も出てきます。気持ちとしては全熱交換を採用したいのですが、あきらめて顕熱交換にしました。幸い?この部分はQ値には反映されません^^(でQ値は?参照)ホントにQ値ってなにやってんだろ。

そのかわり、夏場の昼間や冬場の夜間は換気を半分にする等の対策をすれば大きな省エネになるということで、これを実行しようと思っています。C値で1と言っても200平方センチの孔が全体では開いている事になるのですから、中で七輪でもたいてない限り、止めたって大丈夫かもしれません。

不思議に思うのは、例えば夏場は夜間に2倍の量を換気し、昼間は最小限の換気ですませ、平均として0.5回/時間の換気が担保されるようなシステムがどこからも発売されていない事です。これは我が家で言えばおそらく一日あたり最大15KW時くらいの節約になります。どこか出してくれないかなぁ。(法令違反かもしれませんが、法律を決めた人たちはあまりこの方面ではアタマよくないなぁ)
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by toshiohm | 2009-11-15 22:55 | 断熱
2009年 11月 09日
小宮山邸
昨日テレビニュースを見ていたら懐かしいお顔が。菅直人率いる国家戦略室の非常勤政策参与として、小宮山東大前総長が起用されていたのです。小宮山さんとは昔研究会などでご一緒させていただいたし、そういえばハワイ島で開かれた国際学会では、私が借りたレンタカーで一緒にショッピングに行ったりもしたっけ。同氏はコンセプト作りに非常に秀でておられ、難しい技術を平易に説明して素人にわからせる点(巧みにポジティブで無邪気な誤解を誘導したりもしている気がしますが)では天才的であります。
さて昨日のニュースでは菅さん(菅さんとは大学時代に一緒に学生運動をやりました)はじめ戦略室のメンバーが小宮山さんのご自宅を訪問されたそうです。なぜか?それはご自宅がエコ住宅だったからです。このお宅は今から7年前にお建てになったそうで内容を見ると発泡ポリウレタンの壁断熱、複層ガラスの窓など、その頃としては先端的断熱構造のお宅であったと推測されます。押入れの壁板の一角が取り外せるようになっていて発泡ポリウレタンが見せられるようになっていました。太陽電池搭載。エコキュート。エコにいいものは何でもやった感じです。
これって、基本的には今回の我が家と同じです。同じ学科を専攻しただけあって、何が合理的かについて考えるところも似ている。ただ、サッシはアルミのようにみえました。耐久性を考えてアルミにされたのか、当時木製サッシは今より高価だった(今でも十分高価ですが)のか。。。これがきいてかきかずか、Q値は
 1.6(W/m2/K)
だそうです。勝った~^^。我が家は今のところ,自称ではありますが
 1.0(W/m2/K)
です。この差は非常に大きいのです。エアコンでいえば3台いるところがと2台ですむという差になります。普通ツーバイフォーだとツーバイシックスに比べて約三分の二くらいしか断熱がとれませんし、窓の熱貫流係数もそれくらいの差ですから全体で1.5倍の差は極めて納得できます。
国家戦略室は景気浮揚策をまとめるといっておりました。まてよ、その一環で小宮山邸の見学会を催したとするならば、我が家ような高断熱住宅の新築には多額の補助が出る可能性も。。。しかし、少し早すぎたか。法案が出ても来年度の話。すでに契約してしまったが支払いの残っている我が家のようなケースはどうなるのか???ちょっと気が早いか。。。
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by toshiohm | 2009-11-09 12:35 | 断熱
2009年 11月 04日
で、Q値は?
確認申請後は窓の種類や位置は変更が難しくなる可能性があるとの事で、窓だけはそろそろ確定しなければなりません。しかし、考えれば考える程わからなくなります。どこにどれくらいの窓をつけるとどれくらい部屋が明るくなるのか、見晴らしはどうか、外から見た感じはどうかなどなど。家族の要求は明るめの部屋で眺望もよくということなので、どうしても窓は大きめになります。断熱の観点からは避けたいのですが。しかしQ値Q値といって、折角の家が陰気くさくなったり住みにくかったりして家族の不評を買っては何のための新築?という事にもなりかねません。現在のところ私の意図に反してかなり大きめで多めのの窓になってしまいました。自作のソフト「キューチ君(窮地君みたいと奥様は言っている)」でQ値を計算してみます。
   Q値= 1.3
うーん、 やはり窮地か?公約の1までいかない。窓が大きい。
ただし、今回の家は「蔵」がついています。これは30畳ほどあって、この部分を延べ床面積と考えると
   Q値=1.05
と限りなく?1 に近づいています。実質的には「蔵」の部分は延べ床面積なので、本来この値がいいと考えるべき...と無理矢理自分を納得させる方向で進んでいます。マニフェストと違うではないかとおっしゃられる方には申し訳ない。鳩山政権を見ればいかにマニフェストの実現が難しいことか...
こう考えてくるとQ値って一体何なんだという疑問が湧いてきます。本当に問題なのは熱損失の絶対値であって延べ床面積あたりの損失ではありません。延べ床面積あたりでこの値を出すのは、これをかけ算すれば損失が簡単に計算できるという単なる便宜であって、それ以上の意味がある訳でもない。本来ならば、建物の表面積あたりにした方が物理的意味は明らかですが、そうしない理由は普通延べ床面積はわかっても表面積を答えられる人は殆どいないからです。(しかしQ値の計算には表面積が必要です。当たり前だけど)。国が「この建坪の家ならこれくらいの消費エネルギー」という目安として省エネの基準を出すときに考えた指標にすぎません。あくまでも「目安」です。
しかも、もっと重要なことは、前にも何度か書きましたが、Q値は夏の冷房負荷の指標には全くなっていません。この点はおおいに問題です。Tホーム(東急ではありません)の駒沢展示場の様にQ値が低いのに冷房が追いつかないなどという茶番が平気で行われているわけです。夏の日射取得を制限し、冬場は活用する。全館空調で必要以上の能力のエアコンが必要なのは(東京では)ひとえにこれが理由です。このことに対する意識を上げなければ住宅の省エネは達成できません。これは各家庭で太陽電池を設置する程度の省エネ効果が安価に達成できると考えています(だって太陽電池の変換効率はせいぜい15%ですが、日射取得は90%(low-eだと60%)以上なんだから)。経産省って時々真面目な顔してナンセンスをやってるので、気をつけないと。
理系の人間がQ valueと聞くと、核融合炉の取得エネルギーと投入エネルギーの比のことです。Q値なんて日本だけの戯言なのです。(ブログ名に用いているけど...スミマセン)
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by toshiohm | 2009-11-04 10:14 | 断熱
2009年 10月 27日
なぜ高気密、高断熱の家は夏暑い?(屋根断熱)
なぜ高気密、高断熱の家は夏暑いのか? ここにQ値のからくりがあります。
一般に関東では、Q値から熱損失を計算してみると冬が最も厳しくなります。冬の場合は暖房です。しかし、冷房の場合は話が別で、暖房にない、Q値には反映されていないファクターを考慮する必要があります。まず夏の窓からの日射取得の問題はQ値には考慮されていません。エアコン能力の選定基準となる最大負荷は東京では夏場を想定しなければいけなかったりするのは、これが原因です。(平均負荷はやはり、冬場が大きい。)また、同等に大きな問題として湿度除去があります。24時間換気はその換気量の顕熱相当分はQ値に反映されていますが、除湿した空気を排出し、湿った空気を取り入れてまた除湿するという潜熱相当分が考慮されていません。これは気積にもよりますが、我が家の場合最大で1.5kw相当になり、実は顕熱の損失よりずっと大きいのです。これは全エンタルピーの損失として考慮しなければなりませんが、されていません。それに加えて前述したような屋根から入射する熱量の大きさが壁よりも大きい事も考慮されていません。よく言われるように、高気密・高断熱の家は冬は快適だが夏は暑い理由はそこにあります。Q値的には面積1/6の屋根の断熱を壁並みにしてもそれほど響きません。しかしそれでは夏の暑さはしのげません。だからといってそこに例えば規格外の200mmの断熱ボードを使用するとコストアップになります。ここがQ値のインチキで、ハウスメーカーは家を売るためにQ値を下げる努力はするが、Q値にはあまり効かない屋根の断熱は適当にする。要するに夏の暑さはどーでもいいのです。一般の家の購入者の知識が乏しい事を利用した商法だと思いますが、Q値の定義そのものが現状を反映していない事も問題です。省エネ基準を考えた経産省はこの点を考え直さないと、夏の省エネは極めていい加減なものになってしまいます。
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by toshiohm | 2009-10-27 08:46 | 断熱
2009年 10月 26日
屋根の断熱
屋根の断熱は大切な割に軽視されています。どこのハウスメーカーでも不思議なくらいです。これは断熱が寒冷地に対して主として考慮されて来た事によると考えています。その場合には壁と同列に論じてもさほど問題はありません。しかし、東京のように夏の暑さが酷い地域では屋根の断熱はおおいに問題です。例えば真夏には屋根の温度は75度にもなります。そのとき室内を27度に押さえようとすれば温度差は48度ということになります。一方壁から入ってくる熱を考えると、壁は外気温度と同じと考えればせいぜい温度35度。室内との温度差は8度です。熱の流入量はこの温度差に比例するので、屋根からの方が壁からよりも、なななんと6倍も流入してくるのです。本来屋根の断熱は夏だけを考えれば、壁の6倍必要なのです。実際には棟換気などを行っている例が多いのでこれほど極端ではないかも知れませんが、2倍程度は最低でも必要だと考えられます。
今回の我が家の屋根はアイシネン200mm発泡です。壁は140mmですから2倍はありません。もう少し増やしたいところです。200mm発泡の場合の最大熱流入量は、熱伝導率 / 断熱材厚み x 温度差ですから
0.035(w/m/k)/0.2(m)x48(K)= 8.4W/m2
となり、1平方メートルあたり、8Wです。少なく見えますが屋根の面積は100m2近くあるので、0.8kwになってしまいます。この分は確実にエアコン負荷になります。本当はもう少し頑張りたいところですが、太陽電池を搭載するのでそこが太陽光輻射を遮蔽してくれる効果を考えると、2割程減ると考えていますので0.6kw。まあこれならいいか。
最近の家の設計はこの辺の計算が極めていい加減と言わざるを得ません。例えば断熱で有名なイザットハウスでさえ、II地域仕様で屋根断熱はネオマフォーム60mm。(ステンレス屋根で棟換気していますが)。2.2KWになります。2割へらしても1.8kwですから、どこかおかしいのです。外断熱工法として採用されているアキレスの外張り断熱工法でも屋根の断熱は標準でスチレンフォーム50mm、次世代基準で100mm。お粗末といわざるをえません。それでも堂々と自慢しているハウスメーカーが多いのには驚かされます。
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by toshiohm | 2009-10-26 21:04 | 断熱
2009年 10月 24日
改めて、断熱
最終的にハイレンハウスさんにお願いする事に決まり、詳細な打ち合わせに入る事になりました。営業の浅野さんはまじめな方で、こちらの言ったことを忘れた事がありません。たとえ言った本人が忘れていてもです。長いおつきあいよろしくお願いします。
まず、ハイレンハウスを選んだのは第一にその断熱性のコストパフォーマンスが群を抜いて高いことでした。
今回の仕様は

壁:   アイシネン 140mm (熱伝導率 0.035 W/ mK)
屋根部:    アイシネン  200mm
窓部:       木製枠トリプルガラス   K値  1.3, (U値 1.5 (W/m2K))
床、土間:   発泡スチロール(EPS板)  90mm(熱伝導率 0.03 W/mK)

アイシネンとは登録商標で現場発泡ポリウレタンのことです。
これらを実現するために壁はツーバイシックス(2x6)、屋根の垂木に相当する部分はツーバイテン(2x10)でお願いしました。
最初の設計で、Q値を計算してみます。
0.95と出ました。確かに1を切っています。ただこの辺からQ値を低下させるのは非常に難しくなってきます。窓を極端に小さくしなければならなかったり、意外にバカにできないのが、法令化されている24時間換気です。最近は熱交換換気が用いられるようになって来ていますが、顕熱方式では、顕熱のみ60から70%程度ですが、実際には湿度の交換も考慮した全エンタルピーロスが問題になります。これらの事を考えると、壁や屋根の断熱材をある程度以上厚くしても、全体の熱損失への寄与は少なくなってしまいます。
Q値1はかなり高いハードルであることがわかります。しかし、これが実現できると、極寒のフィンランドやアイスランド並みの住宅ということになり、それを東京で実現させるとどういうことになるのか?楽しみです。
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by toshiohm | 2009-10-24 18:20 | 断熱
2009年 10月 22日
外断熱信仰
外断熱信仰
一時外断熱が喧伝された時期がありました。「魔法瓶のように」という原理説明がウケたものと思われます。
外断熱の利点は、家の外側を断熱材で覆うために、その内側にある柱、床、壁などの熱容量により、快適な内側環境が長時間維持され、また外の温度変化をこまめに拾わないので安定していることにあります。また、伝熱抵抗が比較的低い柱などが外側に露出しないので、いわゆるヒートブリッジとよばれる、そこからの熱の流入流出が防げることも利点です。しかし、この利点は定性的にはうなずけても定量的に評価すると木造建築の場合はいささか疑問です。
もともと外断熱の概念はコンクリート建築に対して生まれたもので、上記の利点は熱容量が大きく(木材の約3倍)ヒートブリッジがおこりやすい(熱伝導が木材の約5倍)コンクリートという材質を使用しているからこそ効果のあるものです。木造の場合には効果は全くない訳ではありませんが、非常に小さく熱容量などは数十から百分の1程度である事が計算してみるとわかります。従って木造建築の場合は外貼り断熱と呼んで区別している会社もあります。
木造の外断熱は基本的な欠点があります。内側の強固な構造体と外壁を柔らかい断熱材を挟んで固定しなければならないからです。そのため長い専用のネジ釘を使用します。しかしこれはこのネジ釘の先端を構造体に食い込ませ、ネジの頭で外壁を固定する事になり、構造体にネジで外壁を直接固定する内断熱方式より当然脆弱となることはさけられません。外断熱の場合にはこれが原因で断熱材の厚さを厚くても40mm程度に抑えざるをえません。ネオマフォームのような高性能断熱材を使わざるを得ないゆえんです。
ではなぜ一部の住宅メーカーは木造建築の外断熱を採用し始めたのでしょうか?それは住宅の気密性能にあります。住宅の断熱はこの気密性能にも大きく依存しています。また法令化された24時間強制換気もこの気密性を要求する事になります。例えばセントラル換気システムを利用しようと思うと住宅の隙間の程度を表すC値(1m2あたり何平方センチメートル相当の隙間があいているかを示す)が2程度必要です。しかし従来の内断熱で間柱の間をグラスウールのようなスカスカの断熱材で埋める方法では、気密が取りにくいのです(2x4では状況はマシですが)。その点外断熱では最終的に構造体の外側を気密性のある断熱材でスッポリ覆ってしまうので細かい隙間は気にする必要がないのです。ただ、この点はアピールしにくい。そこで、殆ど詐欺とも言える「魔法瓶のような」という言葉をもって宣伝してきました。この方法は実際、熱的コストパフォーマンスのきわめて悪い工法なのです。外断熱を売り物にしている住宅メーカーの営業でこの事を理解している人は少なく、理解していても数値的な話をすると、だまってしまいます。
住宅業界はこのような迷信やイメージ戦略に満ちています。殆どの人たちがこのような言葉に踊らされて、不当に高価な住宅を買わされているのは、嘆かわしい事です。高い買い物であるだけに、余計この手の言葉に引っかかってしまうのかもしれません。
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by toshiohm | 2009-10-22 09:03 | 断熱