カテゴリ:設計( 8 )

2010年 07月 12日
庇考(2)
突然だが、昼12時の太陽高度は東京では

春分の日と秋分の日
     E=90度ー北緯(35.4度)=54.6度
夏至の日
     S=E+23.5度=79.1度
冬至の日
     W=Eー23.5度=31.1度

大雑把に夏至では80度、冬至で30度、お彼岸でその真ん中の55度くらいとすると覚えやすい。ちなみに23.5度は地球の公転面に対する赤道面の傾き。これはゆとり世代でなければ小学校で習ったはずだ。この傾きのおかげで四季ができるって。
問題は残暑だ。秋分の頃まで暑いのは最近では当たり前になっている。庇はそれくらいの時期までなんとか効いて欲しいのだ。そうなると幾何学的に考えて庇の出幅と取り付け位置の比は tan(55度)=1.4以上であって欲しい。今回の庇は窓から40cmの位置(30cmでもよかった)に60cm出幅としてこの比1.5になるようにした。秋分の日に向かってドンドン効果が少なくなるのだが、それは仕方がない。庇に完璧を求める事はどのみち不可能だろう。ちなみに210cm高さの一階の窓で8月1日には70%、9月1日には36%の遮蔽率になってしまうのだから。
c0215738_9131723.jpg
一階のこの部屋(リビング南側窓)の日照は少なくともこの時期うまく制御されている。


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by toshiohm | 2010-07-12 09:14 | 設計
2009年 12月 26日
インテリアコーディネーター
前回の打ち合わせまでで、壁紙やタイルを全て決める事ができました。c0215738_23262187.jpgこれはひとえにインテリアコーディネーターKさんのお陰です。彼女の適確な助言とセンスがなければ、きっと紛糾をきわめたことと思います。ウチの母上や奥様が感心したのは、こちらのセンスが良かろうと悪かろうととにかくそれを理解し、その立場に立って適切なサンプルを作製し、候補を絞り込み、最終的にこちらの判断で物事を決めさせてくれるところでした。大変な仕事だと思います。自分の主張を殺しすぎれば信頼を失い、通しすぎれば嫌われるでしょう。そこをよくバランスさせなければなりませんし、なによりも人当りがよく、感じの良い印象を人にあたえなければできない仕事ではないでしょうか。完成したときには見に来てくれるそうです。感謝を込めて写真を掲載させていただきます。写真はぼけていますが、チャーミングな方です。(無理言ってすみませんでした。)
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by toshiohm | 2009-12-26 16:27 | 設計
2009年 12月 07日
テラスドア
二階のテラスの奥で洗濯物を干す事になります。テラスには開放感のある両開きの大きなテラスドアをつける予定でした。防火対応でこれくらい大きな窓は他のサッシメーカーを探してもありません。しかし問題があります。毎日この大きなテラスドアを開閉して出入りするのは大変だし、しかももしこの高価なドアが壊れたらどうなるのだろう。輸入品だからすぐに取り替えるという訳にもいかない。そこで、取り替えのきく最小の国産テラスドアをそのテラスドアの横に取り付けてそこから出入りしようということになりました。しかし、その二つのドアを設計図上で並べてみると、壁一面がドアといった感じになってしまいいかにも馬鹿げて見えます。
思案のあげく、思い切って開放感のある両開きのテラスドアをやめて、片開きで最大のテラスドアと国産テラスドアの組み合わせで行く事にしました。価格的にもかなり安くなるので仕方がない...か。断熱的にも好ましいし。
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by toshiohm | 2009-12-07 08:47 | 設計
2009年 11月 11日
実験
何度か書きましたが、いくらQ値が低くったって、冬は日のあたる部屋は温かくあたらない部屋は寒い。夏は日が当たれば暑いし、あたらなければ涼しい。平均的に見てエアコン一台の能力で足りるとしても夏には暑い部屋が冬には寒い部屋ができてしまいます。そこで、全館で空気を循環させて均一化してやる必要があります。全館空調は冷暖房した空気を各部屋に個別に供給する事で均一化を図ります。これは積極的な方法です。しかし、Q値を折角低くしたのに、これはもったいない。安価な家庭用エアコンと空気を循環させる送風機、それと各部屋へ空気を送るダクトだけあればいい。こう考えてこれを実現させるべくいろいろな方々と相談させて頂きました。コストを含む具体的なお話は、二枚目だが、どこかコメディアンのゴルゴに似ている主にユニテックのMさん(写真、いつもお世話になってます。)とさせていただきました。c0215738_9334527.jpg
しかし。。。このような新しい事をやろうとすると、非常に高くつくことがわかってきました。例えば送風機、法令で決められた24時間換気システム、ダクトなんだかんだで200万。失敗する可能性もあるので安全を見てエアコンをいくつかの部屋に設置しなければなりません。家族に対して「ゴメン、失敗しちゃったから、暑いけど我慢してね」ではすみません。そうなると、全館空調を設置するのとコストが殆ど変わらないかかえって高くつくのです。汎用品は安く特注品は高い。当たり前の事を再認識しました。
そこで、こう考えました。全館空調と普通の家庭用エアコン一台を導入する。基本的には全館空調は送風機としてしか使いません。そうすれば、家庭用エアコン一台で全館の冷暖房が本当にまかなえるのかどうかを実験的に確かめられます。全館空調機についている5馬力のエアコンは原則使わないつもりです。5馬力を選んだのは、送風量の関係です。本当はもっと小さいものでもよかったのですが、容量の小さいエアコンは送風量も小さくなってしまうので実験の要件を満たしません。
結局、見かけは床暖房に全館空調という信じられないオーバースペックになってしまいそうですが、あくまでも実験用として安全に安くできるものを考えた結果です。狙いはあくまでもどうやったら最も運転経費が安く快適な住居ができるのかを知る事です。確立されれば、汎用の空気循環システムもできてくるでしょう。そうすればコストも下がって運転経費も安い理想的なシステムとなるかもしれません。既に温度計、湿度計、放射温度計、温度湿度データロガーを買いそろえました。(高かったー)。一年後の実験結果に期待して下さい。
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by toshiohm | 2009-11-11 09:41 | 設計
2009年 11月 05日
耐震性
もともとその気のまったくなかった自分が家を建て替える気になったのは、築40年の我が家では耐震の問題があったからでした。そしてツーバイシックス工法を選択した理由の一つに、その耐震性があります。最近はどの工法でも強くなって耐震性が問題となるケースは殆どないと言ってもいいと思いますし、木造軸組みも最近では壁倍率の高い補強壁を用いて、壁工法とそれほど工法的には変わらなくなってきているような。。。
しかし、です。いろいろと構造設計的なことをやってあちらが弱ければ梁を補強し、こちらが弱ければ筋交いを入れるといったやり方は、設計のよしあしによる可能性もあるし、しかも施主がチェックするのは難しい。安全は単純な構造で担保されるのが一番いいのです。
その点壁工法は言ってみればさいころを積み上げたようなもので(モノコック構造)転がることはあっても壊れません。誰が設計したって大丈夫、に近いのです。したがって施主にわかりやすい。
地震というと殆どの方は、マグニチュードいくつとか、震度いくつとかその大きさ強度を気にしますが、地震で倒壊する場合は殆ど地震波との共振が発生する場合です。(垂直波による柱の抜けもありましたがこれはさすがに新しい建築ではクリアーしている)。
応答倍率という言葉があります。例えば地震で地面が揺れたときの振幅より家のほうが大きく揺れる。その倍率と考えてよいのですが、この値は家自体の持つ固有振動数が地震波の卓越周波数から離れているほど小さくなります。すなわち家の揺れも小さくてすみます。しかし、両者の周波数が一致すると、恐ろしいことが起こります。この応答倍率が計算上無限大になってしまい、家は立っていられません。ただし現実の家では粘り(減衰)があるので、無限大などにはなりません。そこで家の強度がきいてきます。
前回の中越地震では卓越周波数が1.4Hz(一秒間に1.4回揺れる)、阪神淡路大震災では1が記録されています。通常の新築の木造軸組み工法の場合、固有振動数は4Hz程度ですから、普通なら大丈夫です。ただ、家が古くなり、接合部分が緩んだりした家や、屋根瓦がやたら重い昔ながらの家では固有振動数が低下し地震の卓越周波数に接近して運悪く倒壊してしまったのです。一方普通のツーバイフォーでは7Hz程度とされており、もともとかなり安全であることがわかります。
さて、この卓越周波数は地盤の強さによって変わります。すなわち堅いほど振動数はあがります。今回の我が家の立地は高台でローム層のかなり固い地盤と考えています。そうすると4Hzの固有振動数は少し不安が残ります。ツーバイフォーで固有振動数は7Hzですから、ツーバイシックスはもう少し高いかもしれませんが我が家は少し背が高く設計していますのでキャンセルしあって大体それくらいでしょう。
ちなみに東京都が来るべき大地震の被害推定計算に用いている地震の卓越周波数は0.7Hz, 0.3Hz, 0.2Hz などであって、低周波の地震を警戒していることがわかります。これは、超高層ビルの固有振動数が0.3Hzくらいであることが多く、強度上十分にとってあっても、心配な点があるからだと推定されます。なぜなら、共振時の揺れを正確に予測することは非常に難しいからです。超高層ビル群は東南海地震で想定されている長周期地震(卓越周波数が低い)では倒れはしませんが、中にいる人が船酔いするくらい揺れると考える人もいます。細長いだけに一次モードでの揺れ幅は非常に大きいのです。我が家は大丈夫でも東京は大丈夫でしょうか?
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by toshiohm | 2009-11-05 17:38 | 設計
2009年 10月 28日
ホワイトウッドの問題
ツーバイフォータイプの家の問題点の中で懸念されるのは材質の問題です。主として使われているホワイトウッド(スプルース材)は日本のような高温多湿な環境に向いていません。非常に腐りやすく、シロアリの被害にも遭いやすいようです。これに関しては多くの脅迫的な記事が見られます。なんと3年でぼろぼろに腐っています。しかし、これは土中放置などの過酷な条件でのことであり、米欧で問題が発生している訳ではないようです。また、よく見るとこれらの記事の出所は国産林業業者関連である場合が多い事に気づきます。輸入木材であるホワイトウッドに押され続けた結果なのかもしれません。世界的バイオリンの名器ストラデバリウスにスプルース材(といっても赤トウヒですが)が用いられている事を知っている人は少ないし、また家具もホワイトウッドで作られる場合もあります。これは乾燥ホワイトウッドの寸法的な狂いが少ないことを利用しているようです。現在大手(ミサワ、スェーデンハウス、東急ホーム、三井ホーム...などが採用、住友林業は採用をやめたらしいですが)を始め、多くのメーカーが採用している事を考えると、それほど切迫した危険があるとも思えません。しかし、このネガティブキャンペーンも全く事実無根の嘘というわけでもありません。条件が悪ければスプルース材は急速に腐食する事も事実です。従って十分な注意が必要だと思います。ハイレンハウスを選んだのはこの点で多くの合格点が出せたからでもあります。

結露
まず一番に結露の防止です。一般的にグラスウールはスカスカで水蒸気の内部拡散が容易です。例えば台所の水蒸気が冬場断熱材内を拡散しながら外部に向かって冷却されると必ず結露します。この結露はホワイトウッド腐食の最大の原因となる可能性があります。ただ、スェーデンハウスはグラスウールを使っており、それで100年もつといっていますから、それほど心配もないのかもしれませんが、高温多湿な日本での実績はせいぜい20年くらいではないでしょうか。アイシネンは内部の水蒸気拡散速度が非常に小さく、内部結露はおこりにくいと考えています。また、殆どの顕著な結露は窓周辺で発生します。その点で木枠窓は最高です。
壁通気
ツーバイフォーは基本的に壁の中は密閉されています。これは防火上有利ではありますが、とくに現場発泡ウレタンなどで埋めてしまうので、室内側への乾燥ができません。従って木材が湿ったら、必ず外側へ向けて水分は蒸発しなければなりません。従って、最外壁とツーバイフォー建材との間に通気層をもうける必要があります。ハイレンハウスでは透湿防水シートをはり、通気層を設けるのが標準になっていました。
床下の湿気
床下の湿気対策も非常に重要です。特に基礎周辺の構造材が腐食しては大問題です。土台は腐食に強い米ヒバなどが使われますので心配は少ないですが構造材も床下環境にさらされます。ハイレンハウスでは自然換気が標準です。単なる自然換気程度で大丈夫かどうかはわかりません。特に春から夏にかけて基礎の温度がまだ気温より低いときに急激に湿度が上昇するはずです。今回の家では床暖房の関係もあって、床下を外気に対しては密封します。また床下湿度を測定する予定で湿度次第では換気する事も考えます。
防水
設計中の我が家は屋上バルコニーが多く、バルコニーは防水が大切です。雨漏りは最も家の耐久性を劣化させます。この点はハイレンハウスが防水工事を本業とする日栄商工の子会社である点でまあまあ安心しています。

しかし、上記の話はキチンと施工できての話です。これらが遵守されるように最新の注意で現場を見ようと思っている次第です。
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by toshiohm | 2009-10-28 09:26 | 設計
2009年 10月 25日
全館空気循環システム
温かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行く。2階建ての住宅では夏にはどうしても2階が暑くなります。これはいかに断熱を良くしても避けられません。また、南向きの部屋と北向きの部屋の温度差も日照の取得の関係で温度差が生じます。これも断熱の問題ではありません。

恐るべき日射取得
真夏の東京で正午。もっとも日差しが強い時間帯です。もし太陽光線に対して直角に窓がついていたとしたら、1平方メートルあたり約1Kwの熱量が部屋に侵入する事になります。実際には窓と太陽光には角度がついていますから、これにSIN(角度)を掛けた値になりますから、これほどではありません。むしろ日が傾く頃の方が窓の方角によってずっと日射取得がおおきくなります。一般的な家で、窓は20平方メートルほどあり、しかも南向きに付ける傾向がありますので(現在の我が家では40平方メートル)、最大で10kwもの熱量が窓から入ってきます。断熱の良い家では、この分が外に出て行きませんから、全て空調機で除去してやる必要があります。また、日のあたる部屋とあたらない部屋の空調負荷は、大きく異なる事になります。前者に対しては、窓の日射取得を可能な限り制御する必要がありますが、これについてはまた後日書きます。

部屋間の温度均一化
このような状況で温度の均一化を図るには、部屋間の空気を循環させてやる必要があります。法令化された24時間換気でも空気はわずかに部屋間を流通しますが、少し計算すればわかるようにその流通量は全く不足しています。そこで部屋間の空気を積極的に循環させるシステムの導入を考えました。

全館空気循環システム
いままでたくさんのハウスメーカーに説明してきてなかなかわかってもらえなかったのですが、要するに全館空調システムからエアコンを外したシステムと説明すると理解してもらいました。このシステムは大成建設が導入したタルカスというシステムそのものです。全体の温度を平均化するには1時間に2〜3回ほど家の空間をまわすほどの風量が必要です。システムとしては理解されましたが、実はこれを実現するのは大変なのです。
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by toshiohm | 2009-10-25 10:56 | 設計
2009年 10月 14日
家の設計
そもそも
となりの家の屋根が邪魔で居間の2階の居間から富士山が見えなくなってしまいました。以前は丹沢の山並みの向こうに見えたのです。今回はまずそこを考えました。3階建てにしよう。それなら隣家の屋根越しに富士山が見える。家族の知恵を総動員して設計しました。

こんな事って
血と汗と涙の結晶である図面をハウスメーカーに持ち込んだところ....意外な、しかも致命的な問題点を指摘されました。ある大きさを超えた3階建ては防火規制上「縦穴区画」というワケのわからん考え方を持ち込まなければならないというのです。簡単に言うと階段の登り口はすべて防火区画として区切れるように鉄の扉をつけ常時閉めておけ、というのです。そんな家ってある? これは容認できない。いままでの苦労はなんだったんだぁー!! ということで暗い気持ちで持ち帰りました。

解決の糸口
この問題を解決したのは85歳になる母の一言でした。じゃあ二階の床を高くしたら?
なるほど。しかし1階の天井高を高くしただけでは足りません。では1階の天井裏も高くするか? OK, 1m強高くすれば二階の居間から富士山が見える事になる。しかしただ天井裏を高くするだけではもったいない。じゃあ天井裏を納戸にしよう。どんどんアイディアが出て来て家の形が出来上がってきました。
ある日冷静に考えたら、「なんだこれってあれ程軽蔑していたミサワホームの「蔵」と同じコンセプトじゃないか」。なるほどこういういい点があったんだ。軽蔑してきてゴメン。

いいことずくめ
これでいくと高さ1.4mの部屋はその階の面積の50%を越えなければ建築面積に算入されず、しかも2階建て扱い。しかも建築費も押さえられる。いいことずくめです。
これで設計し直しました。2階の個室から蔵へつながる設計にすると、押し入れは最小限ですみます。皆の希望をかなえる素晴らしい設計が出来上がりました。
もちろん断熱的にはQ値1になるよう仕様も考えました。
さあこれでハウスメーカー選びに突入する事になります。
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by toshiohm | 2009-10-14 15:05 | 設計